2023年06月26日

蒲田エリア~2つの駅に囲まれた、再開発が進む大田区の中心地

東京都大田区のほぼ中心に位置する蒲田エリア。
東京駅と横浜駅のちょうど中間にも位置するこのエリアは、1900年代初頭に開業した2つの駅を中心に、戦前から戦後にかけて「映画の街」、「工場の街」として発展してきました。昭和の雰囲気を今に残しながら、近年は再開発も進む蒲田エリアについて紹介いたします。


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JR京浜東北線 蒲田駅

CONTENTS

1) JR線・東急線・京急線の2駅5路線が利用可能

交通利便性が高いのが蒲田エリアの大きな魅力の一つ。
JR・東急線の「蒲田」駅と、京急線の「京急蒲田」駅の2駅が徒歩10分の距離にあり、合計5路線が利用可能です。各路線を利用することで、東京-横浜方面や西方へ広がる東急沿線や空の玄関羽田空港へも乗り換えなしアクセスが可能です。
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両駅の周辺には戦前から続く商店街や再開発で生まれた大型の商業施設などがあり、両駅に囲まれたエリアには区役所やホールなど、生活や文化活動に欠かせない公共施設も多い蒲田エリア。一本裏に入れば下町の風情が残る閑静な住宅街が広がり、住みやすい街としても人気です。

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kamata_area_3大田区役所・蒲田八幡神社・大田区民ホール・仲蒲田公園

 

2) JR蒲田駅周辺

エリアの西側には、京浜東北線が通るJR蒲田駅と池上線、多摩川線のターミナルにもなっている東急電鉄蒲田駅があります。
JRの前身、国鉄東海道本線の蒲田駅が開業したのが1904年(明治37年)。その18年後の1922年(大正11年)、東急池上線の前身である池上電気鉄道線が開通しました。

駅周辺が発展したのは1910年代。タイプライターや洋食器製造などを行っていた会社が本社を構え、工場を拡大させていくことで「工場の街」へと変貌していきました。

 

また、蒲田は「映画の街」と言われた時代もありました。現在はアクロスクエア、区民ホールアプリコが建っている場所に1920年(大正9年)松竹蒲田撮影所がオープン。1936年に大船に移転するまで、街は映画関係者で賑わい、流行を生み出す発信地となっていました。

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松竹キネマ蒲田撮影所のジオラマ(区民ホールアプリコ地下にて展示中)



現在、両駅はそれぞれJR東日本が運営する駅ビル「GRANDUO」と東急不動産が運営する駅ビル「東急プラザ蒲田」に入っており、建物内で連結しています。

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JR蒲田駅と東急蒲田駅


駅の西側には東急線と並行するように2つのアーケード商店街「サンロード」と「サンライズ」が伸びています。昭和40年~50年代初頭に生まれたこの2つの商店街は今でも活気にあふれ、飲食店や食料品、雑貨、衣料品や医薬品の店舗が並び、生活に必要なものの多くを揃えることができます。

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サンライズ商店街

 

蒲田駅の東側には駅前広場とロータリーがあり、その先に蒲田東口商店街ぽぷらーどが続いています。また、区役所や区民ホールなどの公共施設もあり、休日平日問わず賑わいを見せています。


kamata_area1c蒲田駅東口広場 中央左の建物は太田区役所

また、蒲田駅東口では平成25年12月に策定した「蒲田駅周辺再編プロジェクト」の一環として、東口駅前広場の拡張再整備と地下自転車駐車場の整備を行っています。
地下2層、収容台数2800台の巨大な自転車駐車場は、歩行者空間の拡充や、放置自転車の発生防止による駅前景観の向上にも期待されています。
(出典:大田区Webサイト:大田区画街路第7号線・大田第9号蒲田駅東口地下自転車駐車場の整備



kamata_area16JR蒲田駅東口駅前広場

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駅前広場を環8方向に望むイメージパース

 

3) 京急蒲田駅周辺

エリアの東側には京急蒲田駅があり、京浜東北線と並行して品川-横浜間を走る京急本線と、最短11分で羽田空港にアクセス可能な京急空港線が走っています。
京急蒲田駅の開業は国鉄の蒲田駅に先立つこと3年前の1901年(明治34年)。当時は本駅を蒲田駅と呼称していました。その後、1925年(大正14年)に京浜蒲田駅に、1987年(昭和62年)に京急蒲田駅に改称され現在に至ります。

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京急蒲田駅


駅から東方向に延びる京急空港線が横切る第一京浜道路と、駅南を東西に通る環状8号線には当時踏切があり、慢性的な交通渋滞の原因となっていました。箱根駅伝でもランナーの足止めなどドラマを生み出していましたが、2000年代に入り駅舎の建替えと共に高架化に着手。2012年に全線の高架化が完了しています。

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左)第一京浜を跨ぐ京急空港線

右)環状八号線を跨ぐ京急本線


京急蒲田駅の駅舎は1階に改札階、2階に上りホーム(4-6番線)、3階に下りホーム(1-3番線)を配置する三層構造。登りの品川方面は都営浅草線、京成線、北総線への相互乗り入れを行っており、成田空港へも直通アクセスが可能です。
ちなみに羽田空港方面の路線は2階・3階ホームの両方を使います。改札階から各階直通のエスカレーターがありますが、2階発進の電車に乗る予定が3階直通のエスカレーターに乗ってしまうといった失敗があるので注意が必要です。

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京急蒲田駅の電光掲示板

 

 

蒲田駅と同じく、京急蒲田駅にもアーケードの商店街「京浜蒲田商店街あすと」があります。
京急蒲田駅西口から西へおよそ300メートル。飲食店が中心で、朝夕は通勤客を中心に賑わいを見せていますが、駅前の再開発などで縮小傾向にあります。
ちなみに、正式名称を「京急蒲田商店街」ではなく「京浜蒲田商店街」と表記するのは、1987年に駅名が改称する前に生まれた商店街であるためです。


kamata_area7京浜蒲田商店街あすと

京急蒲田西口駅前地区 第一種市街地再開発事業として2015年に竣工した「あすとウィズ」。地上20階地下1階のビルで、駅の改札階に直結しています。地下1階~3階には店舗やクリニックなどが入っており、4階から上は総戸数320戸のマンションとなっています。

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4) 豊富な飲食店

蒲田エリアの特徴として、豊富な飲食店が挙げられます。
比較的リーズナブルな価格の居酒屋やラーメン屋などジャンルも豊富で、蒲田駅西口には創業80年を超える老舗の鰻屋もあります。
特に蒲田が発祥と言われる羽根つき餃子は有名で、蒲田御三家と呼ばれる店をはじめ、多くの店舗で楽しむことができます。

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羽根つき餃子の蒲田御三家として人気の「金春本館」「你好本店」「歓迎」と、金春創業者の息子さんが開業した「春香園」

                         

5) 事業化が期待される新空港線(蒲蒲線)

羽田空港へのアクセス向上が期待される「新空港線(蒲蒲線)」。約800m離れているJR・東急蒲田駅と京急蒲田駅を連結する路線として昭和の終わりごろから調査検討が続けられていましたが、2022年6月ついに東京都と大田区が費用負担について合意。10月には事業を担う第三セクター「羽田エアポートライン」を東急電鉄とともに設立するなど、2030年代に開業を目指した大きな一歩が踏み出されました。
(出典:大田区Webサイト:新空港線(蒲蒲線)メインページ


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計画の全体図。単に蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶだけでなく、東急多摩川線矢口渡駅付近から多摩川線を地下化し、東急蒲田地下駅、京急蒲田地下駅を通り、大鳥居駅の手前で京急空港線に乗り入れる計画です。

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画像は大田区WEBサイトより

6) まとめ

東京都心や横浜駅など、各方面へのアクセスの良さと充実した商業・公共施設が魅力の蒲田エリア。戦前から「工場の街」、「映画の街」として日本の文化と経済の成長を支えてきたこのエリアは、昭和の繁華街の風情を残しながら再開発で駅前にはロータリーが作られたり、駅ビルの建設や高架化により利便性が増すなど大きく生まれ変わろうとしています。

念願だった新空港線(蒲蒲線)に向けて1歩踏み出すなど、今後も変化していく蒲田エリアに注目です。


この記事を書いた人

北辰不動産株式会社
COCO ASSET編集部

 

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