投資用不動産を運用する上での収入源は、大きく賃料などの定期的な収入(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)に分けられます。そのうち月々の定期的な賃料収入は、融資の返済や修繕費の積み立てなどの源泉にもなるため、不動産の安定運用に欠かせない要素です。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い大きく売り上げを落としているといわれる飲食や物販系のテナントでは、賃料の支払いが大きな負担となり、支払いの猶予や減額交渉がマスメディアでも話題となっています。一方、住居系のテナントでは大きな影響を受けていないのではないかといわれていますが、実際はどうなのでしょうか。北辰不動産グループの一棟RCマンションシリーズ「COCOCUBE/COCOFLAT」で、調査を行いました。
目次
- 調査対象:職住近接、駅近の新築・築浅RCマンション
- 入居されている方の動向は?
- 新規入居募集の状況は?
- まとめ
調査対象:職住近接、駅近の新築・築浅RCマンション
一口に住居物件と言っても、立地や構造、築年、間取りなどの要素でターゲットが大きく異なります。
今回の調査は、北辰不動産グループの都市型一棟RCマンション「COCOCUBE/COCOFLAT」シリーズのうち、賃貸管理を行っている30棟強、戸数にして400戸を超える賃貸物件を対象としました。
「COCOCUBE/COCOFLAT」シリーズの主な特徴
・東京23区内を中心とした、都心へおおむね1時間以内で通勤、通学が可能な「職住近接立地」に建築
・全物件が最寄り駅から徒歩10分以内で、多くの物件が徒歩7分以内の好立地
・耐震性、耐火性、防音性に優れたRC(鉄筋コンクリート)造
・ワンルーム、1Kを中心にしたコンパクトで賃貸ニーズの高い間取り
・宅配ボックスや防犯カメラなど、今の賃貸物件に求められる設備を物件ごとに選定し設置
シリーズの第一号案件が2014年竣工ですので、最も古くても築6年と比較的築年の新しい物件となります。
入居されている方の動向は?
COCOCUBE/COCOFLATシリーズのメインターゲットは20代~30代の学生や単身の社会人。エリアや設備仕様によって多少の差はありますが、おおむね男性女性の偏りなく入居されています。都心へもアクセスのしやすい駅近立地の物件は賃貸需要も高く、入居率についても、新型コロナウイルスの流行前は約97%(2020年1月時点)を維持していました。
緊急事態宣言発令後一か月が過ぎた5月中旬の調査によると、退去など新型コロナの影響はわずかにあるものの、飲食テナントで報道されているような大規模な賃料減額や猶予の相談などは出ていないとのことです。
4月15日のブログで予想した通り、住居系物件については景気変動の影響を比較的受けづらいことが改めて確認できた形になります。
新規入居募集の状況は?
緊急事態宣言下の5月上旬、COCOFLATシリーズの新規竣工物件「COCOFLAT北千住ノース」の賃貸募集が開始されました。
賃貸募集における一番の繁忙期は4月からの新生活に向けた1月~2月と言われており、リーシングは比較的難しい時期であることに加え、緊急事態宣言を受けての仲介業者の時短営業など懸念される要素はありましたが、お問合せ、お申込みを順調にいただいているとのことです。
JRや地下鉄など5路線利用可能な「北千住」駅から徒歩7分という好立地の新築物件というのも人気の理由で、社会情勢に不安があっても賃貸需要の高いエリアの物件であれば影響はほとんど無いことがわかりました。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大の中発令された緊急事態宣言。不動産業界への影響を確認するため、住居系賃貸物件の入居者及び新規賃貸募集の状況を調査しました。
その結果、立地や構造、賃借人の属性などによって状況は異なる可能性はあるものの、東京23区内の新築・築浅RCマンションに関しては、現時点での影響は軽微であることがわかりました。今後、第二波・第三波などの懸念材料はあるため楽観視することはできませんが、都市の経済活動が戻っていけば、さらに影響は少なくなっていくことが期待されています。
投資用不動産として考えた場合、単身者をターゲットにしたコンパクトな住居系物件は景気の変動にも強く、長期的に安定した賃貸収入が期待できるとして幅広い投資家様にご好評いただいております。今回の調査は、その評価を裏付ける形になったともいえるでしょう。