投稿日:2019年04月03日 更新日:2024年07月26日

賃貸マンション設備の新潮流!? IoT賃貸ってすぐに導入すべきなの?

カテゴリ空室対策

  • 空室対策

「IoT」という言葉をご存知でしょうか。ここ5年くらいでだいぶ耳にする機会が増えてきたように思います。「IoT」とは「Internet of Things」の頭文字からとられた言葉です。一般的に「あらゆる身の周りのものがインターネットにつながる仕組み」のことをいいます。最近、そのIoT技術が賃貸マンションにも徐々に取り入れられ始めました。

iot_image

IoTマンションといっても、マンションによって仕様は様々です。スマートフォンやタブレットのアプリを利用するものや、AIスピーカーとの連携によるものもあります。
一例を挙げると
スマートキー
エントランスのオートロックや、玄関のドアを解錠します。外出先で施錠したかどうかを確認したり、遠隔操作による施錠も。
室内コントロール
照明や室温などを制御します。例えば帰宅時間に合わせて、風呂焚きをしたりエアコンや照明をつけたりすることができます。
セキュリティー
モニター付インターホン内蔵のカメラで、在宅時でなくても誰が来たのかを確認したり、窓に設置したセンサーが異常を検知したら、スマートフォンに通知がなされます。

2017年にグーグルホームとアマゾンエコーが発売されてから普及が進んだこともあり、住まいのIoT化に対するニーズが高まっているようです。IoT設備の導入コストについては内容により大きく差が出ますが、今のところはそれほど導入コストがかかるようなものは実はあまり導入されていません。1人暮らし用のアパートやマンションに導入事例が増えてきているようですが調べてみると住宅設備機器としては導入コストが特に大きいものとかは採用はあまりないようです。

導入コストがそれほど高くないのだから空室対策や物件の差別化の選択肢のひとつに加えてみるのもいいかもしれませんが、こうした目新しいもの好きな人がいる一方で、機能の中身をよくみてみると、まだまだ、なくても特に困らない、という人も多い機能だったり、これからいろんなメーカーから多様な機器が出てくる可能性もありますので、今すぐ導入しないと大変なことになる、というものでもありません。

 

建築時につけておかないと後付けでは凄くコストがかかって稼働率にも大きく影響する、というような機器であれば、新築時に導入しておくことは必須の機能になりますが、いまのところはこうしたIot機器は発展途上でもあり、トレンドをみながら様子見しても大丈夫、といったことで、それほど導入コストがかからない割に新築物件でも未導入の物件が多いというタイミングなのです。

 

こういう先進の機能は、今のところユーザーの絶対的な必要性よりも、テクノロジーの進化で意外と容易に設置できるようになったことから、多数のアパート供給をしている大手企業等の供給側が話題性でこぞって導入している部分もあります。

差別化して集客にプラスにできる部分もゼロではありませんが、後からもっと人気の機器が出てきてガッカリ、ということにもなりかねませんので後付け可能な機器は、トレンドをよくウォッチして早すぎず遅すぎず、という導入ができるのがベストです。

 

予算的に余裕があるとか、とにかく稼働率が落ちていて集客にプラスになりそうなものは何でも導入したい、とかの明確な理由があれば別ですが、それ以外の基本的な部分がしっかりしていて競争力がある物件であれば、今のところはIot機器を焦って導入せずとも様子見というスタンスでも大丈夫でしょう。

但し、相当なスピードで普及して設置してないとスルーされるとかのキラーアイテム、マストアイテム的なものが出てきたときは見逃さずになるべく早い導入をする必要があります。

今であれば、Iot機器よりも先に、近くにコンビニがない物件のマストアイテムとなりつつある「宅配ボックス」を設置してないならまずはそちらを設置しようとか、そういう全体的な設備機器の優先度を見極めるバランス感覚と流行へのアンテナという両面からの経営感覚が大事ではないでしょうか。

 

最後に、IoT機器についてですが、上記の入居者利便性をアップさせる分野だけでなく、現在は、ビルオーナーの立場でビル管理をIoT化していくトレンドもありますので、ビルオーナー様はそちらの方にも関心を持っておく必要がありますね。

 

この記事を書いた人

C+One 編集部 (北辰不動産株式会社)

不動産投資、ビル管理、設計、大規模修繕など不動産に関する総合情報を分かりやすい形で提供しています。