ますます便利になる草加駅西口すぐに建つフレアコート。
店舗と住居の複合ビルである当ビルには、温故知新の精神がつまっていました。
事例紹介#004 FLARE COURT(フレアコート)
敷地面積:629.61㎡
延床面積:2,708.70㎡
用途種別:店舗・共同住宅40戸
規模:RC造地上10階建
竣工:2015年
草加のフレアコートについて、アドバンス・シティ・プランニングの会長に話を聞きました。
―フレアコートは1、2階部分が店舗で、3階からの住居部分が西側に寄っていますね。
なぜ住居部分をめいっぱい建てず、西側に寄っているのでしょうか?
一番収益性の高い1階の面積を最大限にとるために敢えて西側に寄っています。
また店舗と住居が同じ方向を向いてしまうと、例えば住居部分の洗濯物を干したとき、店舗と同じ方向を向くことになってしまいます。そうすると店舗のイメージが悪くなってしまうため、このようなつくりになっています。
―住居と店舗の複合ビルならではの工夫だったのですね。
店舗ビルを生かすために、他にはどのような工夫があるのでしょうか?
2階の店舗へは直接行けるように直通階段を2本設けました。
デザイン面では、店舗ビルは、看板が大切なので、看板が活きるよう、シンプルなつくりになっています。
飲食店が多いので、中からも外からも快適に見えるようガラスを採用しました。
一方、住居部分は落ち着いたタイル面を採用し、住宅の静かな佇まいを表現しています。
―住居部分では、エントランスや白い郵便受けなど、高級感のある装飾が印象的ですね。
これは設計したものの意図がつまっていますが、郊外であっても、どこにあってもおかしくないようなデザインにしています。
―そんなフレアコートですが、どういった経緯で設計を受注することになったのでしょうか。
以前、隣にあるケイユービルを設計したのですが、当時はまだ周りが何もなかった。状況や駅に近い立地を考えた際に、一番収益を上げられるテナントビルを提案しました。
その時の実績をオーナー様にも認めて頂き、フレアコートの際もT建設様からご紹介がありました。
―隣のケイユービルもアドバンス・シティ・プランニングの設計と伺っていますが白とグレーと黒の壁が印象的ですね。
もともとは自分が設計したビルで全てグレーにしていましたが、20年経って大規模修繕の際に、今いる若手の設計士に何かアイディアはないかと聞いた結果、白とグレーと黒の壁に塗りなおすことになりました。
以前はタイル貼りが高級感があり主流でしたが、現在は塗装の方が表現の幅が広がり、いいですね。
フレアコートは昔の設計が現在の設計につながっている物件だったのですね。
ありがとうございました。