投稿日:2019年03月06日 更新日:2024年07月26日

ビルオーナーになられる方が最初に知るべきたったひとつのこととは?

カテゴリビル管理

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1.初めて一棟ビル投資する方やビルを相続する二代目ビルオーナー様へ

 

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忙しくてビル経営まで気にしていられないと思っていたら・・・・

 

今までは区分マンション等に投資していたが、そろそろ一棟ビルで資産運用してみようかという投資家様だけでなく、親がビルオーナーという二代目の方でも、ビル経営は親任せで、自分は別の職業などで忙しく、普段はあまりビル経営については関心がなかったという方も意外と多いようです。

本来はビル経営には詳しいはずの既存ビルオーナー様のご一族ですが、ビル管理はビル管理会社にお任せだし、ビル経営に詳しくない子供に相談してもわからないだろうし等の理由で、結果的に二代目の方は相続するまではあまりビル経営に詳しくないまま、というケースが意外と多いのかもしれません。

 

ところが、こういう既存ビルオーナー様の場合でも、ある日突然、右往左往するケースが多いのです。親から何も相談がないから、ビル経営は順風満帆、特に悩みもなさそうだしと安心していたら、相続してみたらこんなことになっていたなんて・・・・
それがビル経営の事業承継、相続で新たにビルオーナーになられた二代目ビルオーナー様のお悩みの特徴です。

2.賃貸ビルオーナーが最初に知っておくべき、たったひとつのこととは?

大事な結論から申しますと、二代目の方はいずれは親からビル経営も承継することはわかっているので、相続対策とかには関心は高いと思いますが、ビル経営そのものについても、親が元気なうちから関心を持って親から相談されなくても「何か今のうちにやるべきことはないか、できることはないか」を調査し、専門ノウハウある業者等に相談して考えておく、あるいは内容によっては直ちに手を打つといったことをお勧めします。

 

またはじめて一棟ビル投資に踏み込もうという投資家様であれば、一般的に価格相場のわかりやすい区分マンションとは違い、ビル毎の個別性が極めて強く、一見利回りが高くて割安そうに見えてもプロ目線でリスクをきちんと分析すると実は割高というケースが多くあり、そうした「リスクを金額に換算する目」を持っていないと高値掴みに陥るということを理解しておくことが必要です。そしてこれこそが不動産投資で重要な「目利き力」というものです。

 


本当にあった残念な話 その1

親が東京の青山の一等地の商業エリア立地にある店舗事務所ビルオーナーで、息子さんは大手企業役員というご一家です。

旧耐震ビルなので建替え計画が心配で親に聞いてみたら・・・両親は「定期借家契約」という形態があること等も知らずに普通にテナントを募集したり、既存の店舗テナントの多額の改装工事も承諾して通常の契約更新をしていた・・・ 建て替えしたくてテナントと立ち退き交渉をはじめたが、店舗テナントからは莫大な立ち退き料を要求されるので建替え計画が思うように進まない結果に。

 

本当にあった残念な話 その2

東京在住のお医者様。親から相続した地方の古いビル、空室も多く、ローン残債もあって、毎月キャッシュフローが持ち出し状態。 急いで売却しようとしたら、賃貸契約書が紛失しており、せっかくのいい値段での買い手を逃がす結果に。その後、売却には1年以上かかり、値段もその時より大幅に安い価格で泣く泣く手放す結果に・・・・

 

いずれも、ビル管理会社からは何のアドバイスもくれなかったそうです。

つまり知っておくべきたったひとつのこととは、今何をしておくべきかの的確なアドバイスをくれるような「ビル管理会社の選び方」と「付き合い方」ということです。

 

3.ビルオーナーにとって本当に大事なことは何でしょうか?

 

1)賃貸ビルの保有とは不確実なリスクの連続の中で資産運用する「収益事業」です


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賃貸用の1棟ビルを初めて取得されたり、相続でビル承継された2代目ビルオーナー様等はまず単に有価証券や現預金という資産を持っているのと異なり、ビル賃貸事業の経営者、つまり事業家になられたということを認識する必要があります。
利息のほとんどつかない預金に比べると不動産賃貸は賃料という収入がコンスタントに入ってくる楽な資産運用に見えますが、実は超長期の事業であるビル賃貸事業は専門業者である私たちも常に迷うことがたくさんある、不確実なリスクを取り続けていかざる得ない事業でもあります。また大事なこととして、常に競合ビルとのテナント獲得競争において、他の事業と同じく「いかにしてビルの競争力」を高く維持し続けるかという点においても経営者としての手腕・ノウハウが問われる事業でもあります。


一方では大きなメリットもあります。ビル経営に限らず事業にはそもそもリスクはつきものです。しかしビル賃貸事業のリスクというものは自分の力ではコントロールできない景気変動リスクのようなものもありますが、権利関係の調整等ある程度予測できて時間とそれなりのコストをかければコントロールできる部分もたくさんあります。
こうしたリスクの具体的な内容と対処法を知っていれば、他の事業をやるよりはずっと安定した事業利益を長期にわたって享受し続けることができる可能性が高い事業でもあります。

その中で収益事業として大事なことは、「賃貸ビルとしての競争力を維持し続ける施策」を考えて手を打ち続けるということ、またリスク管理という点から定期的に気にかけておくべきこととして「準備していれば避けられたリスク」や「気を付けていれば十分に避けられた致命的な失敗」を回避することです。

 

 ~ビル賃貸事業における事業リスクとは~

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1.一般的なリスクとは

  • ・不動産の相場変動
  • ・借入している場合は金利上昇リスク
  • ・稼働率低下による収入減少
  • ・建物の劣化

 

2.不測のリスクや希少なリスクとは

  • ・火災や経年劣化による事故
  • ・自然災害による事故
  • ・不適切なテナントの入居
  • ・各種契約関係のトラブル
  • ・テナント立退きや隣地境界等の権利関係交渉 等

 

 

 

(2)ビルオーナーが陥りがちな失敗パターン

ビル賃貸事業のリスクには様々なものがありますが、まずもってわかりやすいリスクの一つが「空室リスク」です。 空室対策でよくある失敗のパターンは次の2つです。

 

①よくある失敗パターン~その1

ビルが古くなるにつれ空室が増える、賃料を下げる、という負のスパイラルに陥る。

 

②よくある失敗パターン~その2

必要以上に豪華な設備やデザインにお金をかけていて、その割に賃料相場以上では貸せていない、あるいは空室がなかなか埋まらないという状態に陥る。

一番残念なことは、いざという時のためにできることを何もしていないこと、今すぐ売るつもりはなくてもやっておくべきことを疎かにしていることです。

 

 

ビルオーナー様がこれだけは知っておきたい

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4.ビル経営の施策には「攻め」と「守り」がある

長期わたる資産運用であるビル経営には、大きく分けて次の2つの視点が必要です。

それは賃貸ビルとしての競争戦略と、不動産事業で避けるべきリスクのマネジメントという、2つです。

言い方を変えれば前者は「攻めのビル経営」であり、後者は「守りのビル経営」とでも言えるものですが、ビル管理の面で具体的に言えば「攻め」とは「同じ地域にある同じような賃貸の部屋やエントランスの差別化、デザインの流行等を踏まえたリニューアル等」だったり、「守り」とは「今ある建物の設備や仕上材を大切に長持ちさせる事」とも言えます。

これ以外にもビル経営の施策はいくつもありますが、「攻めと守り」という面でどちらに意識の比重を置くかは、ビルオーナー様の資産運用の戦略や方針により異なる部分もあります。

しかし長期にわたるビル経営では、いずれか一方だけのバランスを欠いた視点では大きな失敗につながる可能性が高いでしょう。

重要なことはこの「攻めと守り」の両面を常に意識して、必要な時にタイムリーに、かつ効果的なうまいやり方で手を打っていくことです。

 

5.攻めと守りの両面からサポートできるビル管理会社を選ぶ

さて、この言われてみれば当たり前のような理屈がわかったとしても実は一点大きな問題があります。

多くのビルオーナー様は金額の大きなビルを何本も保有できる訳ではなく、また長期の間に実際に経験できることには限りがあるための、自分自身のビル経営に基づく多様な「ノウハウ=うまいやり方」を習得することは実際は難しいということです。

何事も実際に自ら経験してみなければ本当のノウハウと呼べるようなものを会得することは難しいものですが、ビル経営においては残念ながら巨額の資産を保有する資産家の方でもなければ、一般的に1本または数本のビルしか保有していない中小個人ビルオーナーの方が自ら思い切ったことに挑戦するというのはリスクが大きすぎてなかなか難しいのです。

また、日常の修繕でさえ工事費の基準のような目安がわかりづらく、「費用対効果」を考えるといってもその費用が高いのか安いのかすらよくわからないということがたくさんあります。

やはりビル経営は何をやるにしても不動産という大きな金額なので、失敗すると取り返しのつかないような巨額の損失につながりかねません。

最初に述べたような「知っていれば未然に防げたようなリスク」の極小化といったことは当然として、空室対策等についてもご自身で勉強することもとても大切です。

 

そしてそのビルオーナー様をサポートできるような豊富なノウハウを持っていて、気軽に相談しやすいビル管理会社等の専門業者とつきあっていればとても心強いと言えるでしょう。

またそれぞれの施策が成功するかどうかも、それをサポートする専門業者の腕の良し悪し、巧拙が大きくモノを言います。単に日常のビル管理費用が安いからという理由だけでビル管理会社を選んでいると、いざという時に頼りにならない、相談してもノウハウがないといったことになりかねません。

 

そこで注意すべきことは、最初に述べた「ビル管理会社」との「付き合い方」です。

「ビル管理」という業務の現場の作業担当者は自分の業務分野には精通していても、必ずしもビル経営という資産運用の事業や投資戦略、広告マーケティング手法に関してまでオールラウンドに深いノウハウまでは持ち合わせてはいないのが普通ですから、そのビル管理会社にそれらの分野別、業務別のノウハウを統合し経営的な面からトータルに相談できる専門スタッフや部門、仕組みまで充実しているかどうかが重要です。

そして相談内容に応じて、現場担当者に相談すればいいことなのかトータルな相談事に対応してくれるスタッフや部門に相談すればいいのか、そういう付き合い方ができるようにしておくことです。

 

なおビル管理は今、多くの企業が人手不足で困っている業種の一つです。マンションの管理組合が管理会社に契約更新を拒否されたというひと昔前なら考えられないような逆のことが起きて話題になるような時代です。ビル管理費が高いか安いか等だけで選ぶ時代ではなくなったという認識も必要でしょう。

 

ご参考:攻めのバリューアップ事例~長期にわたるビル経営では攻めが必要な時もあります

<ビルのブランディングという攻めのバリューアップを成功させたオフィスビルのリノベーション事例>

ビルの「ブランディング」なんて意味があるのでしょうか?

そもそも、たった一棟のビルで費用が多額にかかりそうなブランディングなんて可能なのでしょうか?

 

稼働率が低く本来の相場より安く仕入れができた新耐震の中古オフィスビル。

独自ノウハウを駆使した攻めのリノベーションで「ビルのブランディング化」を行い満室稼働させた上で、プロ投資家様にビル本来の相場価格で再販し販売利益を上げた事例です。満室稼働させてない状態で売却される場合、本来の満室稼働相場より安く売ることになります。

日本の不動産業界の情報流通の仕組み、事情を知っていれば、一般的には大企業が多額のテレビCMや広告を行ってようやく効果が出る「ブランディング」というマーケティングの効果を、たった一棟の中小ビルでも行うことが可能です。しかし、それには業界の仕組みに精通し一定レベル以上のノウハウがないとできません。

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6.規模や用途に応じた経験と適材組織が重要

column_kanri01_03ビルには規模の大小から、店舗やオフィス、住宅等の種別の違いがありますし、また自分で使用するのか賃貸用なのかも重要です。そしてとても重要なことですが、こういう不動産の種別、ビルの種別の違いによってその管理や設計のポイントや必要な体制、ノウハウが異なるということです。
その企業のウエブサイトを見ればおおよそわかりますが、丸の内にあるような大型ビルばかりが掲載されていれば、その会社はそういうビルの管理を専門にしており、組織も人もノウハウもそこに集中しているはずです。
そういう組織で中小規模のビル管理をやる場合には、営業的にその会社が中小ビル管理を積極的に拡大したい場合は別ですが、そうでもなければ中小のビル管理会社よりも割高になるのではないでしょうか。

 

 

7.空室募集広告の見直し~ご自身のビルの「マイソク(不動産チラシ)」をチェックされていますか?

不動産の募集広告チラシである通称「マイソク」の重要性をご存知ですか。空室募集時の必須ツールですが、管理会社にお任せで見たことがないというビルオーナー様は、必ず自分の目で確認されることをお勧めします。

いい加減な「マイソク」では決まるものも決まらない、それだけ大事なものですが、ネット広告の時代なので、この紙媒体の重要性を知らないビルオーナー様が意外と多いのです。

ネットに掲載される広告も、多くの場合は、この1枚の「マイソク」がもとになっているケースが殆どです。

 

もし、見方がわからない、このマイソクでいいのか心配、というビルオーナー様は、北辰不動産グループの不動産広告サポートチーム「STUDIO C+」が、「広告」としてのクオリティを無料診断させて頂きます。

なお、当社グループでも、ビル管理の現場社員がクオリティの高いマイソクを作れるわけではありません。

定期的に営業事務サポート社員への研修を行いつつも、一定レベル以上のビジュアルクオリティが必要な場合は、広告制作の専門スキルがある部門で制作を代行する仕組みを導入しています。

多くの管理会社では社内に広告制作専門チームを作っているところは少ないと思いますので、そういう場合は費用をかけて外注しない限り、内容も的確でかつビジュアルクオリティの高いマイソクは作れないでしょう。

なお外注する場合、ビジュアルデザインばかりよくても、不動産チラシとしての大事なポイントを知っている業者さんでないと、単に綺麗なだけのチラシになってしまいます。一方で、ビジュアルクオリティが重要な物件なのに広告のビジュアルや写真のクオリティが低いと、なかなか空室が埋まらないばかりではなく、売却時の価格にまで悪影響を及ぼします。このことはベテラン不動産屋さんでも「非公開で売るから関係ないよ」と軽視しがちです。

(はっきり言って、それは大きな間違いです。)

 

もしわざわざお金をかけてチラシを作るなら、不動産広告の専門知識、空室募集のポイントを知っている業者さんを選ぶ必要があるでしょう。

こういう業者さんを探すことも、中小個人のビルオーナー様にはなかなか難しいとは思います。

 

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空室募集の重要な営業ツールとなり得る「マイソク」について実践的に学べる資料となります。

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この記事を書いた人

C+One 編集部

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