2018年08月10日

建物の構造の違いで、不動産投資にどんな影響が出ますか?

収益不動産を購入検討する際、建物構造の確認は、必ず欠かさないでいただきたい確認事項の一つです。

不動産会社からもらった物件概要書に「構造」という項目がありますが、ここに「S造」、「RC造)」、「SRC造」または「木造」と記載されているかと思います。土地から建物を建築する訳ではないから、構造まで知る必要はない、と思っていらっしゃるようであれば要注意です。


その理由をご説明すると…

建物構造イメージまず、収益不動産の購入にはほとんどの投資家が銀行ローンを利用しており、融資する銀行は不動産の評価額を調査して、いくら融資できるかという担保価値を割り出します。土地は路線価や実勢価格をもとに算出し、建物は「構造」をもとに算出します。当然、構造の「種類」によって銀行評価額は変わりますが、それは建物の「残存年数」にも比例してきます。

 

建物にはすべて「耐用年数※」というものが定められており、仮に建物を使用できたとしても規定の耐用年数を経過したものあれば、極端にいえば建物の価値はないものとして査定される場合もあります。

また参考までに、法定耐用年数を使用した建物評価額は以下のように算出します。

例)構造:RC造、延床面積:300㎡、築年:平成3年、建築単価:1㎡あたり20万円
式)耐用年数47年-経過年数22年=残存耐用年数25年
300㎡×20万円=6,000万円
6,000万円×25/47年=3,200万円(建物評価額)

収益不動産を査定する際、積算評価によって評価額を算出しますが、銀行によっては利回りや稼働率、また修繕状況等も加えて試算するので、上記試算方法は自分でおおよその評価を知りたい場合の参考基準として考えると良いでしょう。

S造は「鉄骨造」、RC造は「鉄筋コンクリート造」、SRC造は「鉄骨鉄筋コンクリート造」のことで、SRCが最も強度が強く、より重い物を建物内に持ち込むことが可能です。同時に建築コストも高くなりますが、その分耐用年数も長くなるため、S造と同じ築年数でも残存価値はRC造・SRC造のほうが高くなります。銀行の査定ではそこを重点的に見るため、収益不動産の購入を検討する投資家サイドとしても、はずしてはいけない確認事項と言えるでしょう。


※「法定耐用年数」と各銀行が定める耐用年数は若干異なるため、融資を利用する際はその都度銀行に確認するようにして下さい。