2016年02月15日
一人暮らしの部屋を探すとき、広い部屋が良くてもエリアや家賃などとの兼ね合いで結局希望より狭い部屋になった、という経験をした方は多くいると思います。
現在東京都23区のすべてで条例などが定められているいわゆる「ワンルームマンション規制」については、各自治体によって内容に差はありますが、専有面積の基準を25㎡としているものが多いようです。なかには豊島区のように30㎡未満の住戸が9戸以上の集合住宅について、1戸あたり50万円を課税するといったものもあります。
また、2013年に渋谷区が最低専有面積を18㎡から28㎡へ引き上げたように、全般的に規制は強化される傾向にあるようです。したがって投資用のワンルームマンションを新たに建築することに一定の歯止めがかかるカタチになり、現状、新規供給戸数が減少傾向にある一因とされています。
一方以前のコラムでも述べたように、東京都内の単独世帯数は増加傾向にあります。規制により新築ワンルームマンション1戸あたりの専有面積が広くなれば、当然家賃もその分高くなりますので、入居できる層が限られてくることも予想されます。
単独世帯の増加とワンルームマンションの減少という点だけ見れば、投資家にとってはねらい目の投資先かもしれません。ただ東京都の賃貸用住宅における空室率は全国的にみれば低いとはいえ、今後は手放しで楽観できる状況ではありません。
ファミリータイプに比べてワンルームの入居者は入れ替わりが早いのが特徴です。
ワンルームマンションは立地が大事とよく言われますが、投資先として考えるときには、こうした賃貸市場の将来性も予想したうえで、立地だけでなく、そのターゲット顧客層にマッチした設備や間取りであるかなど、トータルな商品性の見極めが大事になるでしょう。