賃貸物件としての区分マンション投資はやるべきではない、と否定する人がいますが、果たしてどうなのでしょうか?
否定する理由は以下のようなものです。
①空室になった場合、空室100%のリスク
②新築ワンルームは販売経費や販売業者利益がかなり乗っていて中古になるとすぐ値下がりしかねない。
③土地の持ち分が少ないので、年々値段が下がり続けていくため、そのキャピタルロスを考えるとトータルで損をしている。
④事業用規模にならないので税務上の特典を受けられない。
⑤将来の建て替えについて自分の意思だけではできない。
⑥区分マンションは中古市場での流動性が低い。(売却に時間がかかる)
⑦投資金額対比での初期取得コストが高い。
先ほどの否定理由については、状況によっては、そのどれもが一理ありますが、アベノミクス以降のこの局面では、またかなり違った見方ができるのではないでしょうか。
①空室100%のリスク?
長期投資なら全期間において平均稼働率を高くすればいいことです。問題は、いかに空室期間を短くするかということと、資金力もないのに無理なローン依存で購入しないということです。
②新築ワンルームは割高?
確かに割安物件というのはあまりないと思った方がいいでしょう。しかし、物件によっては、今からの5年、10年は必ずしも、値下がりするとは限らないかもしれません。
アベノミクスが続いて、思惑通りにインフレが進行すると10年で2割のインフレですから、どうなるか決めつけられない局面です。
③土地持分が少ないので高い確率でキャピタルロスが出る。
これも②と同じ理由で、これからはどうなるかわかりません。
しかも、最近は土地の値上がりや建築価格の高騰等の要因があり、新築分譲マンションの相場上昇に合わせて、中古マンション価格も上昇に転じた物件もあります。
④税務上の特典がない?
確かに1室だけ持っていても所得税上の税務メリットはないかもしれませんが、タワーマンションの高層階は相続対策につながる可能性があります。(但し相続対策目的だけでの取得は税務否認されるリスクがあるのでお勧めしません。)
⑤将来の建て替えが難しい?
都心立地で国家戦略特区内の築古マンション等は、今後、容積率アップ等で大化けする物件があるかもしれません。そういう物件を探せば、住民の建て替え合意は進みやすいかもしれません。
⑥中古住宅は流動性が低い?
今、国の施策として中古住宅市場の活性化を進めています。今後は一定の基準をクリアした中古住宅であれば銀行ローンもつきやすくなり流動性も従来より高くなってくる可能性が十分あります。
⑦初期コストが比率が高い?
株式投資等と比較すると、確かに仲介手数料や税金等の初期コストが割高です。特に少額なワンルームマンションだと初期コスト比率が高くなります。
しかし、これも、例えば投資目的が将来のインフレヘッジであれば、インフレヘッジのための保険料として割り切るかどうかの問題程度だと思います。
このように、過去長く続いたデフレ経済の時代から、アベノミクス以降は、インフレが予想される時代となって経済環境が激変しつつあります。
資金力のないサラリーマンがローン依存で無理して投資用の区分マンションを買うというのは、まだ、賃料が上昇しておらず利回りが高くなっている訳ではありませんので、自分の返済能力の計算を十分に考慮する必要がありますが、ビル1棟を買うほどではないけれども、相応の資金力や収入がある方が、将来のインフレヘッジや相続対策で不動産を買っておきたい、という場合は、区分マンションも十分に検討対象に入るのではないでしょうか。
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