2015年05月14日

「危険な既存不適格」が明確化されます

国土交通省が「既存不適格建築物に係る是正命令制度に関するガイドライン(案)」を公表しました。
近年増加している居住者のいない空き家に関して、防災・防犯、衛生上の問題や景観の悪化などが懸念されており、2014年11月には「空き家対策特 別措置法」が成立しています。「既存不適格建築物に係る是正命令制度に関するガイドライン(案)」を明確化することで、ガイドラインにのっとって既存不適 格建築物の撤去や使用禁止などの是正措置を取りやすくなるとされています。

崩壊しそうな空き家

ガイドライン案では、劣化が原因で倒壊などの危険性があるとか配管設備の一部が破損してガス漏れが発生しているなど、付近住民や通行人に被害が及ぶ恐れがあるものと具体的に示し、「著しく保安上危険」「著しく衛生上有害」の判断基準を明文化しています。


〈著しく保安上危険であると認められる用件〉
●劣化が原因で倒壊などの恐れがある
●倒壊などした場合、付近の住民や通行人に被害が及ぶ恐れがある
●是正命令を行う社会的必要性がある
〈著しく衛生上有害であると認められる用件〉
●衛生設備の破損などが原因で、付近住民や通行者などに被害が及ぶ恐れがある
●是正命令を行う社会的な必要性がある

是正を行う社会的必要性は、
(1)既存不適格である状態を是正させる必要性がある
(2)行政指導を行ったにもかかわらず所有者などが適切な対応を取らなかった
(3)危険が切迫している
(4)ほかの手段によって是正を行うことができない
(5)所有者や占有者などに特別な事情がある――ことなどを総合的に分析・検討する必要があるとされています。

なお、2015年1月23日までパブリックコメントを募集しており、4月までに正式決定する方針としています。