東京23区内で、「江古田」と名前が付く駅は二つ。それぞれ違った文化を持つ「江古田駅」(西武池袋線)と「新江古田駅」(都営大江戸線)からなる江古田エリアですが、再開発でさらなる変貌を遂げようとしています。
ちなみに、西武池袋線の駅名は「えこだ」で、都営大江戸線の駅名は「しんえごた」と読みます。由来は所説あるようですが、大正時代、江古田駅が開業した当時から練馬区側では「えこだ」、のちに新江古田駅ができる中野区側では「えごた」呼称を使っていたようです。
西武池袋線「江古田駅」は練馬区に属し、賑わいのある昔ながらの商店街があるほか、駅付近に日本大学芸術学部や武蔵野音楽大学、武蔵大学など複数の学校が立地するため、学生の乗降客が多い駅としても有名です。また、池袋駅まで乗り換えなしで3駅7分という便利さから、都心に通う学生や単身者の賃貸需要が高いことも特徴です。
江古田銀座商店街
■駅舎の改築
江古田駅では、駅周辺の再開発を目的に国および練馬区と共同で策定された「駅・まち一体改善事業」を基に、2008年度からバリアフリー化を含む駅舎の改築を実施。駅周辺地区の再開発を含むを工事を2011年に完了しています。
(出典:練馬区Webサイト:西武池袋線江古田駅改築および駅周辺整備について)
西武池袋線「江古田」駅
■駅周辺地区の再開発
駅舎の改築に合わせ、練馬区では平成中期から現在に至るまで、「江古田駅北口地区計画」、「江古田北部地区計画」、「江古田南部地区計画」を策定して順次実施しています。
(出典:練馬区Webサイト:江古田駅周辺地区のまちづくり)
武蔵野鉄道(現・西武池袋線)が開通して以来、急速に市街地化が進んだことにより生まれた密集市街地のため、「道路の狭い」「思ったような建替えができない」といった問題が発生し、街としての活力低下が懸念されていましたが、この計画により道路の拡幅や公園の整備、老朽住宅の耐火建築への建替促進などを順次実施し、災害に強いまちづくりを目指しています。
練馬区WEBサイト「江古田北部地区での取組み」より引用
都営大江戸線「新江古田駅」は練馬区と中野区の境界線上(正式な所在地は中野区)にあり、大江戸線の延線によって平成9年(1997年)に生まれた新しい駅です。西武池袋線に加え、新宿駅まで乗り換えなしで最短15分でアクセス可能な新江古田駅が生まれたことにより、江古田エリアの賃貸需要がさらに高まりました。
目白通り沿いにあり、大きな商店街はないものの駅前に大型スーパーやドラッグストアもあるなど、生活利便性の高い駅です。
都営大江戸線「新江古田」駅
■江古田の森公園
新江古田駅から南へ8分ほどのところに、江戸時代の鷹狩り場の跡としても知られる約6ヘクタール(東京ドームグランドの約4.5倍)の「江古田の森公園」があり、区内最大規模の樹林を誇っています。園内は散策路のほか、遊具や芝生広場もあるため、週末の家族連れにも人気のスポットとして知られています。
■江古田の杜プロジェクト
江古田の森公園が含まれる中野区江古田三丁目地区では、公園の南にあった国家公務員宿舎の跡地にUR都市機構と積水ハウス、総合東京病院の3者の協働によるまちづくり「江古田の杜プロジェクト」を計画。
「多世代により育まれる持続可能な地域をつくる」を目指し、500戸を超える分譲マンションや学生・子育て世代に向けた賃貸住居に加え、総合病院、高齢者向け住宅等を開発。平成30年(2018年)にはまちびらきが開催されました。
(出典:江古田三丁目まちづくり協議会:「江古田の杜プロジェクト」がまちびらきを開催!)
江古田の杜プロジェクトWEBサイトより引用
江古田駅と新江古田駅を中心としたこのエリアは、池袋や新宿といったターミナル駅へのアクセスが良好な点が一番の魅力です。また、もともとエリア自体に大規模な学校が複数ある「職住近接立地」であることに加え、大規模な再開発も行われるなど、将来にわたる賃貸需要が期待できることから、不動産投資の投資先としても魅力的なエリアと言えるでしょう。