不動産情報コラム

物件の用途による管理の違いとは?

作成者: ビル管理|Jul 25, 2023 1:57:37 AM

建築物の用途は様々ですが、弊社で扱う物件は主要な用途が大きく分けて3つあります。
「住居」「店舗」「オフィス」です。
ここではそれぞれの用途によるビル管理の違いをハード面とソフト面からご紹介してまいります。

 

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用途によるビル管理の違い ハード面

まず用途が違うと何が違うのかというと、建物のハードの部分、建物の構造の部分が異なります。それはそれぞれの用途によって適した構造というものがあるからです。
ビルの構造として代表的なのは鉄骨造や鉄筋コンクリート造です。それぞれの用途にどんな構造が適しているのでしょうか。

住居ビルの構造

特に集合住宅の場合は、居住空間というのが大切なため居住空間の優位性を確保するために鉄筋コンクリート造が選ばれるケースが多いです。
鉄筋コンクリート造は耐震性が高く、防音や気密性の面でも優れています。
生活をする上で防音はかかせないですし、気密性が高いと例えばエアコンの効きが違ってくるなどのメリットがあります。
デザイナーズマンションといったおしゃれな雰囲気も作りやすいです。

また、投資の目的としてアパートやマンションを作る時も、耐用年数も長く資産価値が高いので鉄筋コンクリート造が選ばれることが多いです。弊社もグループを含めこちらを採用しています。

規模も地上部分は高層のタワーマンションから低層のアパートまで様々ですが、法律で決められている採光制限などの関係上居室を地下に作るのは難しく、あまり多くありません。
ただ最近の賃貸物件では地下ビットにあたる空間をロフトとして有効活用し物件の優位性を上げるものもあり、当グループでも採用実績があります。
内装や設備に関しては、オーナー様側、ビル側の方で作る必要がありますが住居としての場合、目的は単一になるため内装もある程度パターン化しており、設備に関してもあまり拡張性は必要ありません。
部屋の水道・光熱費関係も入居者様がそれぞれ電力会社や水道局と直接の契約を行っていくため、それを前提として設計がされていきます。
ただし例えば水が出ない、共用部の電球が切れたなど建物側の不具合に関してはオーナー様側の負担で解消をする必要があります。

店舗ビルの構造

店舗ビルの場合は収支が特に大切になってきます。
つまり貸室面積、貸せる面積をいかに多く取るかが重要となります。
そのため先ほどの住居とは異なり地下を作ることも多いです。
地下は防音性が高く単独の導入口を設けることも多いので、静かな高級飲食店やバー、またはライブハウスのニーズに合い家賃を少し高めに設定できるケースもあります。

一方で地下を作るにはどうしても地下を掘る費用に加え、地下用に排水や排煙の設備を設けたりと建築費用が多くかかります。

特に設備に関して店舗ビルの場合はターゲットとする業種をあまり設定してしまうと運用しづらくなることもあり、ある程度余裕をみた形で設定、設計をしていくことが大切です。
また、床レベルを変えず水廻りをどこにでも設置出来るようにあらかじめ躯体の床を下げたダウンスラブと言われる躯体を設計するときもあります。

内装に関しては基本スケルトン状態のため貸し出しテナント側で内装工事を行うこととなりますが、建物全体として元々設置すべき防災や衛生の設備が多くメンテナスが必要になるため、どうしても店舗ビルは住居ビルよりも管理に掛かる費用が多い傾向です。

そういった収支面の観点から、店舗ビルに関しては構造的にどれがいいというのは住居ほどはなく、建物の規模、施工のしやすさ、工事の工期などを総合的に判断し、最終的には費用面を優先して構造は自由に選ぶ形になることが多いです。

事務所ビルの場合

事務所ビルに関しては住居と店舗の間のようなイメージとなります。

店舗の場合はスケルトン状態で貸し出し、内装は基本すべてテナント側が作りますが、事務所ビル内装は建物側、オーナー様側で作ることが多いです。

内装に関しても事務所として使える状態として貸し出せるように設計する必要があります。
エアコンやOAフロアといったものも基本設置済みです。
中間のフロアは標準階と言われ同じプランの階が連続します。同一のフロアに入居者が複数のプランでは共用部としてホールやトイレ・給湯室が必要になり建物側の管理範疇が大きくなります。

特にエアコンに関しては、店舗ビルの場合はテナント側でお店の内装に合わせて設置することが多いですが、事務所ビルに関しては、エアコンは設置しないと貸せないので建物側・オーナー様側の方で設置することがほとんどです。また改正フロン法に対応した点検や冷暖房切替時の保守点検、フィルターの清掃等、日常的な項目も多いです。

用途によるビル管理の違い ソフト面

ソフト面というのは管理の運用面に関してですが建物というのは使う人、入居者によって管理の仕方が変わってきます。
それぞれの違いを見てまいります。

住居ビルの場合

ワンルームマンションなどを例にすると入居者は大概学生や会社員の人が多いので、通勤・通学時間はある程度決まってきます。
そうすると例えばエレベーター停止の点検などは朝などを避けて出勤が終わった後の日中などの時間帯が作業しやすいこととなります。

また逆に火災報知器や避難器具の点検など、居室内に入らないと出来ない点検に関して日中昼間は不在の人が多いので休日などに設定をするなど考慮が必要です。

ゴミの回収に関しては公共の清掃事務所で回収することになるので、建物の規模やゴミの集積所などを考慮しながら自治体・清掃事務所と建物を作る段階で事前協議をして決めます。
共用部の清掃に関しても住民の方が不快に思わない程度として回数などが決まるため、建物の規模や入居者によって運用ルールが異なることとなります。

店舗ビルの場合

店舗ビルの場合は、ビルの入居者だけでなく店舗のスタッフだったり、お店に来るお客様だったりと、不特定多数な方がビルを利用します。
そして管理の運用もそれぞれの店舗の営業状態に左右されることが多いです。

店舗ビルの管理が大変なのは入居しているテナントさんの業種が様々な点です。
飲食店やバー、美容室、スポーツクラブなど店舗の種類は多岐に渡り、それぞれ営業時間も異なります。
そうすると例えば点検一つにしても、いつの時間帯にするかの調整が必要となってきます。
毎年1回の点検などがある場合は前年の実績などを参考にし、毎月毎月スケジューリングを重ね、それぞれ建物のクセを把握していきます。

基本的にはなるべく利用者の少ない時間帯を狙うことになりますが、断水や停電等大きな点検が発生することもあるので、契約時に「そういったものに関してはご協力をお願いします。」とした上で出来るだけ営業に差し障りのない時間帯を設定していきます。

事務所ビルの場合

事務所ビルの場合、住居と店舗の両方の要素、特性を持っていると言えます。
内装に関してはオーナー様側・ビル側で作りますが、実際の利用者は事務所ビルに入っている会社の社員や来客者と想定されます。

稼働時間に関しても大概一般的な営業時間で、お休みに関してもカレンダー通りのことが多いため予測しやすく、管理をする側の煩雑さというのは店舗ビルほどではありません。

まとめ

ビル管理と一言に言っても、建物の用途によって注意すべき点、大切なポイントが異なってくるのがお分かりになったかと思います。さらに規模や築年数でも管理の仕方は異なってまいります。
特に店舗ビルに関しては一つのビル内に様々な業種が入るほど管理も複雑になってきます。
株式会社アドバンス・シティ・プランニングでは「住居」「ソシアルビルも含め店舗」「事務所」と幅広い業種に関しての管理の経験と実績があるため、上層階が住居で下層階がテナントの複合ビルや様々な業種が入居している雑居ビル等、ありとあらゆるビルにも対応できるのが大きな強みです。大きなビルだけではなく中小規模のビルも得意としてまいりました。現在は約500棟の管理実績があり、着実に管理棟数を増やしています。 ビル管理に関して何かお困りごとがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

株式会社アドバンス・シティ・プランニング

設計事務所からスタートした「アドバンス・シティ・プランニング」では自社内にビルメンテナンス部門があるだけではなく一級建築士も多数在籍するため、ビルに関するトラブルに関して迅速、柔軟に対応できるのが特徴です。


この記事の監修

網代 淳一
管理本部部長 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)

 

 

 

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