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ビルの修繕やリノベーションの工事事例を紹介するサイト『ビル修繕 plus』。工事内容や工期の目安がわかりやすいと好評です。総合ビル管理会社である株式会社アドバンス・シティ・プランニングが修繕に特化したサイトを作った理由や、他の会社との違いをお伝えします。
―株式会社アドバンス・シティ・プランニング(以下ACP)の建築課では、ビルの修繕やリノベーション、内装を手がけていらっしゃいますが、修繕に関するサイトを2023年秋にリリースしてから約半年が経ちました。改めて工事内容の実例などを紹介するサイト『ビル修繕 plus』を作った経緯を振り返って教えてください。
森峰:これまで実際に進めてきたビルの修繕や改修を振り返って、工事の種類が多岐にわたりたくさんの経験を積むことができてきたなと感じたのがきっかけです。
また、手がける工事のひとつひとつはオーダーメイドなので、いろんな問題につど直面してきましたので対応力が鍛えられてきたと実感しています。
このようにして培った実績を紹介していくことで、ビルの不具合でお困りのオーナー様の助けになるのではないかと思ったのが『ビル修繕plus』を作った理由です。
―ACPで管理や修繕を請け負っているお客様の工事をたくさん手掛けて積んだ実績から培った技術を、困っている他のオーナー様にも提供していきたいということですね。
技術についてはACPに入社してからだけではなく前職からの積み重ねもあると思いますが、前職とACPで身についたものに大きく違う点はありますか。
森峰:かなり違いますね。前職はどちらかというと専門工事業者の設計という立場で、外壁の改修をメインに行っていました。
ACPではとにかく工事の種類が多岐に渡ります。
例えばビルの外壁修繕工事の場合でも、外壁だけではなく設備も状況を確認しなければなりません。
また内装も見なければいけない、内装の仕上げもわかっていなければいけない、当然防火区画といった法的な内容もわかっていなければいけないということで、遵法を確認した上で、関係各庁に確認に行くことも多いです。
ファサードのリノベーション工事などは、前職では部分的にしか手掛けておりませんでしたが、今は関連するすべてを見ないといけないため、仕事内容の幅がかなり広くなった分、知識や経験が向上したのを日々感じています。
―ACPの建築課の特徴や一般的なビル管理会社との違いを教えてください。
森峰:大手ビル管理会社は数万戸単位の戸数を管理していて、その物件を管理されているのがPM(プロパティ・マネジメント)の方です。
PMは不動産の契約、家賃管理、入居者・テナント対応窓口であり、当然、建築専門部署ではありません。
ですが、管理ビルで何か不具合等があった場合に管理業務以外の工事についてもPMが受けて外注に出さなければならないという会社が多いです。
またビル担当者が現場に行けないまま、外注に補修方針を任せて管理や工事をおこなっているケースが多いです。
結果的に管理状況や補修方針の良し悪しが外注業者の判断に任されている状況となり、当然その状態が続きますと後に様々な問題が多発します。そのような管理体制が続いた末にビルオーナー様から不満の声が上がるというのを本当に良く聞きます。
それに対してACPのビル管理は、ビルメンテナンス部がいて、さらに有資格者の建築専門部隊がフットワーク軽く現場に駆けつける体制になっているのはかなり珍しいかもしれません。
―本社で指示を出すだけでもなく、外注先でもなく、ACPの場合は、建築課が直接現場に行くのですね。
森峰:そうですね。PMが窓口でテナント、入居者から対応依頼を受けたあとに、比較的ややこしい、難しい、建築的判断が必要といった内容であれば、建築専門部署の建築課が事前に図面を確認してから、BM(ビルメンテナンス)と一緒に現場に直接向かい状況のヒヤリングや詳細調査を実施します。
この時点で応対の手厚さに大きく差別化を図っています。
また、有資格者だからと言ってキレイなスーツを着て遠くから見るのではなくむしろ建築課の方が、現場で高いところや狭いところ、汚いところなど、どの場所に行きます!
直接近くで見ないと問題を発見できないことがほとんどだからです。
社会人としては革靴を履いた方がいいかもしれませんが、革靴だと滑ったりして危ないところも多いので、 いつもスニーカーです。
革靴やスーツであるがゆえにビルの隅々に行けないのは違うと思うので。
例えばビルに汚物があった場合、大手の管理会社であれば通常は外注の業者が清掃に行きますが、ACPの場合は機動力を重視して担当の社員が掃除しに行きますからね。
実際のところ建築課だけでなく、保守課やPMも含め、ACPのように管理会社の担当社員が直接対応しているとういうのは、大手管理会社の管理体制よりもかなり手厚い体制だと思います。
それを実現するためにアドバンスでは契約担当、ビルメンテナンス、保守、建築専門部署の部署間で連絡を非常に多く取り合っています。横断的な連携を持ってみんなで協力し合いながら、オーナー様のビルを日々管理しております。
―日頃修繕やリノベーションに携わっていて、やりがいはどんなところに感じますか。
森峰:before afterはシンプルに面白いということと、古い雰囲気のファサードが、おしゃれにリニューアルされると、オーナー様も「すごくきれいになりましたね!」って言ってくださるのがやりがいを感じます。
またずーっと止まらなかったビル漏水事象でも、自分が携わることで処置して止めると、同じACP社員からも「助かりました」って言ってもらったりして、建築を勉強して良かったなと感じます。
新築は新築でもちろん創り上げた感動はありますが、私は建物改修を19年続けて、ずっと古いビルと向き合ってますので、その道を極めていきたいと思っています。
―このビル修繕 plusのサイトをどのようなニーズを持ったお客様に向けて届けたいと思いますか。
森峰:「本当に必要な修繕は何か」を知りたいビルオーナー様です。大規模修繕はお金をかければできる業者さんはたくさんあります。しかし私たちが行う大規模修繕は、まず今そのビルで起こっている問題点を全て洗い出します。
本当にやらなければならない内容を見落とさない大規模修繕というのが強みです。
というのも、大規模修繕というのは、工事内容がだいたい決まっています。それをルーティン化できれば確かに楽なんです。
しかしビルの状態は環境によってまさに十人十色です。その状態を詳細に調査しないでルーティン化した工事内容を行うと、お金はかかったけれど「やっぱりこうすればよかった」「直っていない箇所がある」ということが起こりがちです。
大規模修繕の終了後についても雨やちりなどを拾ってしまって外壁を汚したり、経年劣化が進んでしまうような一過性の工事ではいけないと思うのです。
私たちが大規模修繕をやるからには10年、15年の間問題が出ないように、また美観を維持できるような工夫した大規模修繕を計画します。
ですから一件一件の大規模修繕がオーダーメイドです。意識的に型にはめない工事計画をしています。
―例えば塗装剤の材質を吟味工夫するといったことでしょうか。
森峰:その例でいいますとバルコニーの軒天に排気口があったりすると排気の排気の汚れ、チリ、ホコリを出してる訳ですからその周りは当然汚れます。
そういう状態を見て、ただきれいに塗って終わりにしたら時間が経てばまた同じ汚れた状態になってしまいます。
だったら排気の風向を斜め45°に下ろすベントキャップに変更したり、コスト的に難しい場合であれば、排気で汚れてもわかりにくい色(グレーやブラウン系の色)に変更したりします。
今言ったようなことはほんの一例ですが、改修工事は実施後にどうなるのか、すぐダメにならないかということを常に考えています。そしてそれは大規模修繕に限らず小規模な工事でも同様です。
―今ある不具合をとにかく安く手っ取り早く応急処置して欲しいというよりも、ビルを長く大事に維持していけるような修繕を望んでいるオーナー様のニーズに応えるということですね。
森峰:そうですね。ビルを適正に維持していくためには当然その都度お金をかけていく必要があります。やはりそこを理解していただけるオーナー様の方が、長期的に見た時に適正に管理できていると感じますね。
40年、50年ノーメンテで経過した建物が問題だらけで、テナントから賃料もらうには限界がきてその築年数から大規模に修繕となると外装、インフラにかなりの費用が掛かります。
さらにその先、何年ビルが持つのだろうか
でも、前面の歩道に外装タイルが落ちて通行人に当たったりするかもしれない
テナントからクレームも来るし、募集かけても良質なテナントさんが入らない
低賃料でないと入らない等
八方塞がりとなるのが一番大変なパターンです。
あとはオーナー様にお伺いしたいことは、「きちんと建築のことを理解している業者に工事を発注していますか」ということです。
工事は建築の知識がなくても、ある程度繰り返せばできてしまいます。なので、基準が業者さんのさじ加減になります。
パッと見、きれいに仕上げることもできますが、工事の後にその状態をいかに継続的に保つことができるのかが大事です。
そのため工事は計画•管理を行う人間が非常に重要となります。
せっかく掛けた費用が無駄にならないようにしたいですね。
(株)アドバンス・シティ・プランニング 建築課は工事予算に合わせて、本当に必要な工事を適正な補修方法で提案します。ぜひ一度ご相談ください。
下記よりご相談ください!