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ビルの問題で一番多いとも言われる漏水問題。台風や大雨の増加に伴い、今後ますます増えることも予想されます。
漏水が発生すると、建物だけでなく、内装、テナント、建物設備、パソコンなどの精密機器の故障などにも影響する恐れがあります。
漏水が起きた時、賃貸ビルのオーナー様はどうしたらいいか詳しくご説明してまいります。
漏水がよくある場所
漏水問題を困難にさせている原因の一つとして、発生箇所の特定がしづらいことがあります。よくある発生箇所を確認してまいります。
サッシ周り
サッシ周りのシーリングの劣化や、施工不良などで雨漏りにつながることがあります。
外壁
経年劣化や地震、車両の振動などによるひび割れ(クラック)や、シーリング材の劣化などにより外壁から水漏れが発生することがあります。
室内天井
ビルやマンションの場合、最上階でない天井から水漏れが発生することがあります。原因として多いのが配管など給排水設備やパッキン等の劣化、もしくは上の階の入居者による不注意などです。
この他にも屋上や地下室内、地下からの湧水、浸入元不明の漏水など様々な原因があります。
漏水が発生したらまず何をすべきか
① 管理会社へ連絡
まずは日々の管理を依頼している管理会社へ連絡し漏水の状況を伝え、修繕の工事手配等、指示を仰ぐといいでしょう。
② 応急処置
漏水がひどい場合はバケツやタオル、ビニール袋等で応急処置をしましょう。
③ 記録
緊急時につい忘れがちですが後々重要になってくるのが、発生状況の記録です。 漏水問題が物件内のどこで起きていて、被害の状況がどのくらいなのか証拠として写真や動画に納めておくとよいでしょう。
記録が大切になってくる理由を説明してまいります。
責任の所在は大家か賃借人か
ビルが店舗やオフィスの入っているテナントビルの場合、漏水が発生したら、その責任を誰が負うかにより支払いなどの問題が関係してまいります。
例えば漏水の原因が、テナント側が備え付けた設備の不具合による場合はテナント・借主が修理費用を支払う必要があります。
一方、もともと建物に備え付けられていた設備の不具合の場合はオーナー側が支払う必要があります。ただし貸主がもともと備え付けられた設備であっても、借主が誤って破損させてしまうケースの他、備え付け設備の維持・メンテナンスは借主の責任のもと行う旨の取り決めがあるケースも多く、メンテナンス不足を起因とする故障などの場合は、借主側に支払いの義務が発生します。
漏水時に発生する費用として考えられるのは業者への修理の費用、保険の契約をしている場合は保険会社への支払い、またもし他店舗が漏水により営業が出来なかった場合などはテナント側から賃料の減額請求があったり、損害の賠償費用などが発生したりする可能性があります。
このように漏水は影響範囲が広がる可能性があるので、発生当時の状況や被害状況をきちんと記録として残しておくことが大切なのです。
漏水問題を解決する際の業者選定方法
漏水問題が発生し業者に修理を依頼する場合、どういった業者を選べばよいでしょうか。
漏水は原因を見極めるのが困難な問題ではありますが、この際過去の経験だけを頼りに修繕方針を決めてしまう業者はあまりよい業者とは言えません。
漏水は様々な複合要因で起きていることが多いです。
そのためまず応急処置はした上で、図面等を確認し建物全体の構造を理解しながら原因追及を進めていくことが結局は近道なのです。
そういった建物への専門的な知識がある業者かどうかの見極める一つのポイントとしては、その業者が建築士、施工管理技士等の国家資格等をきちんと持っているかを見ることです。
そういった専門知識がある上で多くの経験を積んでいる業者が最適だと言えるでしょう。