
ビル管理の基礎知識
資産価値を維持するビル管理
建物は竣工してからすぐ償却がはじまります。日々の経年劣化や技術の陳腐化により価値は目減りしていきます。価値を維持するためにはライフサイクルコストへの理解が欠かせません。ここではその重要性や資産価値を維持するための方法を解説します。
ライフサイクルコストとは
ライフサイクルコスト(Life cycle cost)とは、企画や土地の取得・設計・施工工事費などのイニシャルコストから、建物を使い続けるために必要なランニングコスト、そして最終的な解体費用までを含めた生涯費用です。

ライフサイクルコストの構成
イニシャルコスト | 建設費 | 建物の企画・土地取得・設計・施工など |
---|---|---|
ランニングコスト | 運営管理費 | 点検・保守・清掃費など |
用水光熱費 | 電気・上下水道費・ガスなど |

建設費はビルにかかる費用の一部にすぎない
資産価値を維持するためには、
ランニングコストを考慮した
資産価値を維持するためには、
ランニングコストを考慮した
ライフサイクルコストの予測や長期的な計画が重要
ライフサイクルコストの予測や
長期的な計画が重要
ライフサイクルコストの予測に則った計画を怠るリスク
ビル管理においてライフサイクルコストの予測や計画を怠ると、資産価値を適切に保てないリスクが高まります。
リスク 01
外観と設備の老朽化による
外観と設備の老朽化による
テナント離れ
必要な外壁補修や設備の更新を怠った結果、建物全体の老朽化が進行。ビル全体の印象が悪化し、テナントが離れてしまった。
リスク 02
不十分な資金積立による
不十分な資金積立による
修繕工事の遅れ
資産価値維持のための修繕計画を適切に立てず、積立金も十分でなかったため、修繕工事のタイミングを逃してしまった。
リスク 03
周辺環境や市場ニーズの変化に
周辺環境や市場ニーズの変化に
対応できず空室率増加
近隣で新築物件が増加しているに中で設備や内装のアップデートを行えなかった。よって需要の高い要素を取り入れられず、空室率が増加してしまった。
リスク 04
売却時の価格交渉力低下
資産価値維持のための修繕計画を適切に立てず、積立金も十分でなかったため、修繕工事のタイミングを逃してしまった。
資産価値を維持するための具体的な方法
ライフサイクルコストを予測
資産価値を維持するためにはライフサイクルコストの予測が重要です。建物の生涯費用は建設費の4~6倍に達することもあります。ランニングコストを無駄にかけないためにも、適切にライフサイクルコストの予測を行いましょう。

改修・修繕計画の立案
建物の資産価値を維持するためには、定期的なメンテナンスや改修・修繕工事が必要不可欠です。ライフサイクルコストを基に長期計画的に予算を把握し、且つ有効的に、改修・修繕計画を立てましょう。
