建物は年数が経つにつれ、また様々な外的要因により劣化していきます。
例えばどういった不具合やトラブルが起きるのでしょうか。
クラックとは亀裂やひび割れのことを表します。
外壁コンクリートの劣化としてクラックなどの症状がありますが、建物に隙間が生じている状況のため放置すると雨漏りなどの危険につながります。クラックには大きく分けて幅が0.3mm以下の「ヘアクラック」と0.3mmを超える「構造クラック」があり、構造クラックがある場合は特に注意が必要です。
タイルはコンクリートの下地にモルタル(砂とセメントと水を練り合わせて作る建築材料)を塗り貼り付けられていますが、年数が経つにつれ、乾燥や地震などを含めた振動などで浮いてきます。そういった「浮き」の状態をさらに放置すると「剥がれ」や「落下」につながります。
塗装には見た目をよくするだけでなく、耐熱性や撥水性などがあり雨水や熱から建物を保護する役割もあります。また塗装の劣化の一つに「チョーキング(白亜化)」と呼ばれる現象があります。壁を触った時に白い粉がつくことで、これも劣化のサインの一つと言えるでしょう。また塗装を行い外観がきれいになることで建物の資産価値をあげることにもつながります。
屋上は紫外線や雨にさらされ劣化が進みやすい箇所となります。特に近年はビルやマンションに傾斜がほとんどない陸屋根が採用されており、雨水などがたまりやすい傾向があるため浸水を防ぐために防水層という設備が必要となります。屋上防水には塗装防水、アスファルト防水(アスファルトを塗る+貼る工法)、シート防水などがありますが、それぞれ耐用年数も異なるためきちんとメンテナンスを行わなければなりません。
鉄は強度がある一方、加工性も高く優れた材料のため広く使われていますが錆びやすい欠点があります。錆を防ぐため塗装されていますが、塗装が剝げてくると水や空気中の酸素に触れ酸化し錆の原因になっていきます。例えば給排水管などが劣化し錆びてくると水回りの不具合の原因にもなります。
今回ここであげたのは建物の不具合や劣化現象のほんの一例になります。
ビルは立地や規模、構造等によりそれぞれ異なります。それぞれのビルにあわせた長期修繕計画をたて定期的にメンテナンスを行っていくことは、ビルの資産価値を長く保つためにもとても重要なことと言えるでしょう。
大規模修繕に関しては以下の記事でも詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。
「ビルの大規模修繕で大切なこととは? 建物の資産価値を長く保つために」