漏水問題と同じくらいよくあるビルの問題として「臭い問題」があります。
臭気は発生源がどこなのか分かりづらかったり、人によって感じ方が違ったりと、解決しづらい問題のひとつです。
「ビルの臭気問題で困っている」という方のために臭気問題に関して詳しくご説明してまいります。
臭気の問題としてよく苦情にあげられるのが「ビルピット」に関する臭いです。
ビルピットとは一時的に排水や汚水を貯留する排水槽の事です。
下水道管は通常地下に埋めてありますが、ビルの地下階にトイレや厨房がある場合、下水道管よりもさらに下にあり、トイレや厨房の排水は一旦ビルピットに貯水されます。その後排水ポンプでくみ上げて下水道に排除していく仕組みとなっています。
ビルピット内で排水は徐々に腐敗して、硫化水素が発生します。
これが下水道管へポンプ排水される際、気体化し、俗に言う「卵が腐ったような」悪臭が発生するのです。
このビルピットはビルオーナー様の資産であるため、オーナー様が管理する必要があります。定期的に清掃、メンテナンスが必要で法律でも義務付けられています。
ラーメンや焼き肉等飲食に関するにおい。美味しそうと感じられそうなにおいに関しても、時間帯によって強烈に感じられたり、ゴミや廃棄物などから発生する腐敗臭が加わったりと、悪臭となることがあります。
飲食店の場合だと、焦げ臭、ニンニク臭、油臭、排水、生臭さ、スパイス、発酵、焙煎臭など臭気の種類も多岐に渡り、それぞれに適した処理を行うことが大切となります。
ビルビット臭気を発生させない方法として下記などがあります。
(1)排水の希釈
排水を希釈するだけでなく水位の調整にもつながり、ポンプ動作間隔が短くなることで下水道への排出頻度が増えます。
(2) ポンプ操作盤へのタイマーを取り付け
タイマーを取り付けて一定時間毎にポンプ排水をすることで、長時間の貯留時間による悪臭の発生を防ぐことが可能です。
(3)ビルピットの清掃
基本ですが排水槽をきれいにしておくことで硫化水素の発生が少なくなります。
特に厨房などで油分の多い排水などが流入するビルピットは清掃頻度を増やすなどが大切です。
(1)排気口の位置の見直し
同じ強さの臭いでも、排出ダクトの高さや向きを変更することで大きく異なってまいります。
例えば排気口を延ばし高い位置から排出したり、排気口の位置や向きも近隣から遠ざけたりと工夫することができます。周辺の吸気口に排出ガスが向かないようにすることが大切です。
(2) 脱臭装置の取り付け
脱臭装置はにおいのタイプによって適した装置が異なります。
そのため設置する際には臭気測定器などを利用し臭気指数・臭気濃度値を算出するなど測定をきちんと行い、適した装置を設置するのがよいでしょう。
問題に対して様々な解決方法や対策方法がありますが、臭気問題でまず行わないといけないのは、シンプルに排水配管の中の空気が、室内に入り込んでくる要因を調べることです。
図面で系統図・配管図の順で読み、現場の状況と図面を照らし合わせ、問題が生じやすいいくつかの配管経路等にフォーカスして調査することが大切です。
それでも解決できない場合があると思います。臭気はそれだけ発生源の特定が難しい問題だからです。
解決したいといろいろやみくもに試すのは、時間もお金もかかります。
そのため図面等で建物の構造を理解した上で調査を行い、対策を施すのが一番の近道となるのです。
建物はひとつひとつ異なります。臭気の状況を建物の内部から確認し、根本的な解決策を実施するのがよいでしょう。
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